詩を書きます

怒り

怒りを胸のなかに飼っていた
初めは それは世間から隠しおおせるほど小さかった
私が大人になるにつれて怒りは少しづつ成長し
ろうそくの火が部屋中に燃え広がるように
この胸を焼き焦がし 全身を包んだ
怒りは私そのものになり
眉間に 頬の強張りに 口元に
至るところにくっきりと刻まれている
悲し気な目元を除いて
この世の 人生の
理不尽さを薪として燃え続ける不毛な業火

地獄行き

美貌が身上の女は若さが陰っても
惚れた男に貢いで今は俺に夢中
昼間でも夜でも輝けるのに
楽がしたいだけ俺は暇つぶし


服が欲しくて街に迷い込んだ
冴えない女を搾取しようと
暖かい仕事の話に嘘を織り込む
鼻で笑う女は地味キャラが身上


リングキーに合鍵がジャラジャラ
それでもお前の処に帰るのは
香水じゃ消せない孤独の匂いが同じで


睡眠薬を飲み瞼閉じれば
抱いたのも覚えてない死んだ女が
蛇と化して俺に絡みつく


恋の遊びを真に受けてダサい奴
そこまで鬼にはなりきれなくて
死なせた罪に慄く俺はきっと地獄行き

KINDLE本出版のお知らせ

お久しぶりです。一昨日、にほんブログ村で発表した59編の詩を「Lost Love」というタイトル、美月小夜というペンネームで、自費出版でKINDLEから出版しました。よろしければお手にとってご一読ください。よろしくお願いします。  月美