詩を書きます

2023年8月のブログ記事

  • 近づきたい

    鋭い視線は揺ぎ無く 卑屈な目で見返した 昔恋したあの人に似ていた 眼差しも 向き合い発する言葉も 胸の痛みをおぼえるほど誠実で 好きという思いは伝えない 対等ではないから 釣り合わない 傷つくのが怖くて 目に映る世界が違う 私達は違う種類の人間 世慣れした振舞いと 物言いに距離を感じて まずは自分... 続きをみる

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  • 遠いあなた

    子供を抱え肋骨を折ったことを 懐かし気に笑いながらあなたは口にした 楽しかったことも過去にあったのだと 複雑な思いでじっと見つめる その思い出だけで救われる瞬間がある 私が傍にいるのを忘れている 横たわり愉快そうに憂いは吹き飛び 窓からの陽光が笑顔を際立たせている 存在が遠く見えて

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  • 自分への愛

    自分を愛することを 自分を大切にすることを できない腹いせに 幾人をも傷つけた 鏡を見ることが出来ずにいた 綺麗になりたかった 望んだのはそれだけだった 美しくもない女が堂々と彼女面を している許せなさに 彼を奪った けれど心は癒されず 自分を大切にできれば あなたはそれだけで救われるのだ 世の中... 続きをみる

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  • 奇妙な季節

    思い出を語る時の 遠い目に惹かれてた 奇妙な季節だった 誰も介在しない 私達だけの世界 あなたの不幸を 他人事と受け流す 心が凍って血が流れぬように 寄り添って眠っても しょせんは赤の他人 馴れ合うふりをはじめても 互いの胸の血の雫には触れず 遊びの恋の流儀 子供の画像に微笑み浮かべる 幸せの表情... 続きをみる

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  • 偽善者

    「本当は強いんだから」 別れ際にあなたは言った 微かな微笑みを眼差しと唇に浮かべて 弱さを売りにして引き留めてきたつもりが 見え透いていた いつでもいつだって 「幸せ祈ってるから頑張れ」 素っ気なくあなたは言う 付き合い始めの言葉を覚えている? 「ずいぶん傷ついてきたんだね。俺が忘れさせてみせるよ... 続きをみる

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  • 横殴りの雨 怯えた猫が擦り寄る 雷の音が鳴る  雨戸を閉めきった部屋で目を閉じる 大丈夫 ここは千年の都 台風を怖がったのは はるか娘の頃 座った椅子が突き上げて 壁が鳴る電気が消える 地獄をかわして婚約したことに僻んでる生霊 それははるか昔 捕った男の女 きっと生きてない 長い歳月を経て ようや... 続きをみる

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  • はじまりの終わり

    振られた腹いせに飲んだ薬のガラス瓶 その破片で切り損ねた手首に滲む血は赤く 命を落とすことを怖いとは思わずに 勢いでやるもう出来ない若気の至り あなたは日付が変わればもう頭を切り替えて 違う女の人を探してる 最後の悪あがき ステレオタイプの幸せな未来 あなたなら手に入る やばい女に足をすくわれずに... 続きをみる

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  • 夏の終わり

    駅へと泣きながら歩いた あなたの後ろを足をふらつかせて 夏に出会って秋に捨てられる 惨めさと悔しさで声をしゃくりあげるように 「まっすぐ歩け」 捨てる側のあなたは言う 駅に着いたら永遠のお別れ 今ここにいるあなたは私の世界から消えてしまう 「遊んでただけだろう、俺たち」 なだめるように 生まれては... 続きをみる

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  • 原因不明の高熱が私を包む きっとまた精神的なものなのだろう 考えすぎのこの頭が 自律神経を狂わせ体を沸騰させる 考えても仕方のないことを とうに終わったやり直せないことを もはや明日に期待できない年齢になっても 繰り返し思い出す 解熱剤の効かないのぼせた頭で 考えるな かつて男がそう言って私を撫で... 続きをみる

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  • オレンジ色の夕焼け

    一人でどうやって生きていけばいい?  あなたに去られて呆然と立ちすくむ 手首を刃でかすめた跡に血が滲む 空は切なくなるほどオレンジ色に染まって 今すぐあなたの傍に帰りたい 夜になるまで 割り切った大人の女のように 振舞おうとした どこまで見抜かれていたのか 夕焼け色に染まった部屋で本当の私がすすり... 続きをみる

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  • 女たらし

    誘惑にあなたは容易く応じる 抱かれて涙が流れるのはなぜ ただ黙って震わせた背中を撫でてくれる 強がりがその優しい手の感触に溶けていく 好きだと言わない私に自己防衛かと詰め寄る 傷つくのが怖い症候群 本当の私を知られたくない 本当の私を見てほしい あなたの前で決して泣きはなしい けれど抱きしめられる... 続きをみる

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