詩を書きます

2023年10月のブログ記事

  • 背伸び

    無邪気な笑顔で 幾人かの男たちの「お気に入り」だった少女時代 それに尻尾をふっていた 犬のような私 大人の年齢を迎え私のなかで女が芽生えていく そうしてあなたに出会う 私は誘う あなたは応じる 「浮気してもいい?」 ことの後で放たれる台詞 一度抱かれただけの私に おかしなことを言う人だと何も答えな... 続きをみる

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  • R.I.P 美しい人

    自身の醜さで鏡も見れない女子高生の前に現れた あなたは凄まじく綺麗にパッケージされて それから幾度整形を繰り返しても あなたには遥か遠くおよびはしない 美しいということ 驚くほど美しいということ 唯一無二の美貌だということ どんな努力も どんな才能も その前には無力な気がして佇んだ 二十歳の夜 美... 続きをみる

  • SNSに次から次へと流れてくる 弱って傷ついた野良犬が拾われて 世話をされあっという間になつく動画 それは私そのもので胸が痛みます 「可愛い」の一言で 二、三度かまってもらっただけで すぐになついた 誘われれば断りもせず駆けつけ 言いなりになった 犬のように 若さの終わりにあなたに出会い 今まで関... 続きをみる

  • 宗教

    礼拝堂でシスターの朗読する聖書の言葉は 心に刺さることなく右から左へ耳をすり抜け 理由もわからぬままに ただ外見の美を願ってた 「君は純粋なんだよ」 皆わかってるよ、と男は言う 「君は悲観的なもので覆われているんだ。そのままの状態で死んだら生まれ変わった時…」 すがりそうになる弱い心を男を軽蔑する... 続きをみる

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  • あれから

    あれからどれだけの年月が過ぎて ようやくもう聞こえない その甘い声優しい言葉 けれどまだ 私を捨てた時の あの優しい声残酷な言葉が 時折頭の中で響いて まだあの日にいる まだあなたの声を聞いている

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