詩を書きます

卑屈


自分より頭のいい女から男を奪い取った時の優越感に浸り
自分より弱い女から男に会いたいという電話がかかってきた優越感に浸り
自分より歳をとった女から男に好きだとメールが着た優越感に浸り


あげく彼ら全員から結局愛されてはいないと知っても
あの女達に感じた優越感だけは忘れない


それは劣等感の裏返し
男が「自分のことを嫌いなのは見てたらわかるわ」と喚いたように
人を落とすことで自分を上げようと必死になる


惨めな女
哀れだと自己憐憫に囚われている下劣な女


歳をとりもう誰も振り向きもせず独り
ようやく諦めの境地に達し
何も持たないままやがてくる死を漠然と待っている


いい人生だったなどと回顧もせず
傷つけた女達 傷つけられた男達を思い出しもせず
私が私でなくなることに安堵のため息を漏らしながら死んでいくだろう


やがて死が訪れるからといってなぜ充実した生を目指さなければならないのか
このままくたばる 外国でのたれ死ぬように
生きる意味など考えもしない野良犬のように