詩を書きます

憎しみ

目覚めたとたん 過去が脳内再生される
逃げ場はない 支配された頭 薬で鈍らせる
残された死に至るまでの日々 
誰か鎖をほどいて自由にしてほしい


散らかった部屋 死人のように横たわる
カーテン越しに陽射しが顔を射す 嫌がらせのように
瞼閉じて 何も考えるなと心の声
眠りの底 沈んでいく それだけが救い


教えて 私が生贄から脱する方法を
一回きりの人生なのに
傷ついた分優しくなんて望んでないから
傷つかない日々を 穏やかに


放っておいて 嫌が言えなくても
私なら許してくれると?
怒りで煮えたぎる心が見えないのね
いつだって心の中で刃を向けているのに

ある真夜中に

これから
どうしたい
穏やかな声で
あなたは言う
戸惑い
言葉は出ない
同情じゃなんだ
そっと腕を伸ばす
窓の外
月が浮かんで
やっと孤独から
逃れられる真夜中
涙が胸のうちを流れて
独りきりにさよならを
静寂のなか二人きり
たとえ愛じゃなても

とめどない独り言

夜中にあなたは過ぎ去った昔を語りはじめる
癒えない裏切りの記憶
声にする度に心に刻まれていくのだ
楽しかった思い出
神輿を外された痛み
途切れないその独りごとは
私の心に入ってくる
気が重くなる
眠りたいだけなのに
不幸話に引きずられていく
思いつくまま語るのはやめて
暗闇で辛気臭いだけよ


あなたが望むものは
傷つかず楽をすること
それだけが傷ついた心の処方箋
真実からは目を逸らして
心臓を抉られてしまうから
あなたの望むもの
あなたに注ぐべきものは
優しい嘘で包まれた虚飾の世界
真実なんて心臓を貫くだけ
生きていけなくなる拷問