詩を書きます

卑屈


自分より頭のいい女から男を奪い取った時の優越感に浸り
自分より弱い女から男に会いたいという電話がかかってきた優越感に浸り
自分より歳をとった女から男に好きだとメールが着た優越感に浸り


あげく彼ら全員から結局愛されてはいないと知っても
あの女達に感じた優越感だけは忘れない


それは劣等感の裏返し
男が「自分のことを嫌いなのは見てたらわかるわ」と喚いたように
人を落とすことで自分を上げようと必死になる


惨めな女
哀れだと自己憐憫に囚われている下劣な女


歳をとりもう誰も振り向きもせず独り
ようやく諦めの境地に達し
何も持たないままやがてくる死を漠然と待っている


いい人生だったなどと回顧もせず
傷つけた女達 傷つけられた男達を思い出しもせず
私が私でなくなることに安堵のため息を漏らしながら死んでいくだろう


やがて死が訪れるからといってなぜ充実した生を目指さなければならないのか
このままくたばる 外国でのたれ死ぬように
生きる意味など考えもしない野良犬のように

Butterfly in the night


白塗りに真っ赤な口紅
嘲笑のなかを君は泳ぐ
夜空を照らすネオンの洪水
虫のように惹きつけられ


別人になりたがってるの 服や化粧じゃごまかせないよ


見透かす輩が つけこんでくるね
気が付かないほど鈍くはないだろう


欲望の渦巻く夜を彷徨う危険な冒険


若いだけで 居場所を与えられる 今は
偽りの 華やかさに 惑わされている


少しずつ 見れたものになる 君
顔を上げて 笑うことを覚え 
嫌いな自分と夜の間はさようなら


moth becomes butterfly
butterflies perch on neon lights
neon lights up the night
In the morning, the neon lights will disappear
everything in the sunlight,cruelly

Was there love?

Don't make a soft voice
そっと言い聞かせる詭弁に張りつめる
心も頬も凍り付いて
under the moonlight
手首からうっすらと滲む
暗い血に走るその視線
悪者にならず切り捨てようと卑怯なやり口
それでも友達でもとすがりつく
プライドを捨てて
Like an abandoned dog
Was there love?
苦笑する寂し気なその目は
何もかも見透かすように
Was there love? 奇妙なほど
穏やかな声はとうの終わりを告げて
Was there love?
A love that was just playing around, that's the truth
締め付けられる胸
しゃくりあげる涙
涙のあふれる目
貴方を惹きつけない A heart that has long since awakened
Was there love? 静かな声
穏やかな瞳は他人のようで
Was there love? 言い聞かせる
別れの理由に言葉もなく
綺麗な終わりにただ佇んで
Was there love?