詩を書きます

情事

助けてと悲鳴をあげる
声に出さずに
投げやりに体を投げ出す
自棄が透けて


力を込めて抱いて
据わった黒い瞳
何も考えずに
すべて忘れてしまいたい


初めて会った瞬間から
予感がした
ほのかな微笑み
私を見つめる余裕
優しい目でうなづく
無意識のやり口でも
惹きつけられてしまう
唇を重ね合わせ
何もかも消えてしまえ


望みどおりに応じる
あなたの背中を抱いて


また会う約束をして
月の照らす夜に去っていく
関係などはっきりせず
繰り返す情事の匂い


力を込めて抱いて
据わった黒い瞳
何も考えずに
すべて忘れてしまいたい