夜
暗い部屋で繰り返すあなたの物語
過去の傷が癒えない 溜息まじりの声
私の頬を撫でる
ふっとそっと笑みを漏らす
伸ばした腕のうえで
永遠に眠りについていたい
初めて会った日からこうなる気がした
支離滅裂な私の言葉に優しく聞き入って
もう過去の話だと
暗闇であなたは呟くの
家族をなくした痛み
隣にいる 私を抱きしめて
孤独に呑まれそうな
夜は二人を月が照らし
やがて朝日がのぼり
二人の貌から暗さが消えていく
生きていくただそれだけを
思い始まる新しい一日
そっと撫でられた頬の感触
ふっと笑うあなたの声
また夜が訪れるまで
それらを糧に生きていく
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