詩を書きます

七夕

七夕の日
お金を占い師に払って
センチメンタルに私は語る
とうの昔に引き裂かれた
彼と彼女の物語を


彼はお金も愛も欲しがって
結局すべてを失った
彼はどうしているんでしょうねえ、と私は呟く
占い師は死神のカードを引いて答える
「まだ生きてるわ。死にたいなあ、と思いながらね」


彼女は彼の愛だけを大事に抱えて
結局孤独に閉じ込められた
巨大な白い棟の檻の中へ
彼女はどうしているのかしら、と私は囁く
占い師は煙草の煙を吐き出しながら答える
「もう死んでるわ。あなたの後ろにいる。
 あなたにそっくりね……すごい因縁だわ。
 彼女にあなた半分引きずられてるわよ」
それからポツンと付け足す。
「あなたの心根を軽蔑しているわ。私があれだけ望んだ普通のお家に生まれたくせにって」


今日は七夕の日
引き裂かれた恋人たちの
ちぎれた胸から流れる赤い涙が夜空から滴り落ちる